1998.11月23日(月)〜 28日(土)
展覧会に寄せて
雑誌記事の料理と器の写真を見るたびに、添えられた塗り物の匙類の形が料理に対して負の印象を与えている様子がとても気になっておりました。「料理の内容にふさわしい匙」を目指して制作を続けている間に、いつのまにか匙作りが本業になってしまいました。
用途や形、塗る漆 等々。
求め始めると際限なく匙の形をした塗り物の深い世界へはまり込んでしまいました。 漆かき、木地作り、塗り、一人三役で分業化の進んだ漆の世界からは少々孤立しておりますが、会津の豊かな資源に手助けをされながら、創りたい、作り続けたいとおもっております。
98.10月1日
谷口 吏
谷口氏は本当に飄々と生きています。
傲慢でもなく、偏屈でもなく、肩をはっているでもないのにそこに凛として存在しています。
自身で漆を掻き、クロめて、木地を作り、漆を塗る。 作品の一つ一つにその丁寧さと、妥協を許さない凛とした姿勢を見出す事ができます。
谷口氏はいつも「個展にわざわざいらしてくださる方のために。」と 定番以外の作品を必ず準備なさいます。
今回も皆様のためにお考えになった形がでます。 どうぞ楽しみにおいでくださいませ。
98.11−13
ギャラリーいそがや 上林 喜美子