hiuchinada, THE SETO

妹背 裕 展

2004.10/25-30

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シコク派宣言

シコクは、鄙びた風景と明るい陽光の中で、
ゆったりと過ぎていく時を
生きるところだと思う。

妹背裕は四国・香川県に在住している造形作家です。
香川県は、高松漆芸といって漆器づくりの盛んなところでもありますが、
妹背もそういう風土の中で、漆を素材にした作品を創ってきています。

今回の個展「THE SETO」は、「THE DOCHU」(土柱、徳島県阿波町 2000年)、「THE
MANNO」(満濃池、香川県満濃町)に続く「シコク派宣言」シリーズの第3回目です。
瀬戸内海といえばたいていの人はご存知だと思いますが、その中の燧灘(ひうちなだ)
という、香川県の西部から愛媛県の東部にかけての海域をイメージした創作です。

乾漆という技法を発展させた立体造形であり、且つ空間全体を構成するインスタレー
ションの方法による展示となります。

瀬戸内海という人間の生活の場に流れる自然の悠久の時間が、シコクからのメッセー
ジとして、妹背裕の作品に託されます。

                              工芸評論家 笹山 央