林辺 正子 HAYASHIBE masako
作品制作のための覚え書き
A.嗜欲:「エロティシズムの最後の意味は、融合であり、限界の撤廃である」。
「エロティシズムとは死にまでいたる生の称揚である」。
ジョルジュ・バタイユ著『エロティシズム』より。
B.器: 境界
C.アノニマス:
@ 無名性の→名に関する情報が欠如しているもの。
潜在的なもの。顕現していないもの。徴。未だ名づけられていないもの。
忘却されたもの。時間をはずれたもの。流動的なもの。虚体。
A 匿名性の→名前を伏せた。作者不明の。
〔匿〕蚕に与える若い桑の葉を、容器にびっしりしまい込むこと。
枠や囲いのなかに入れて、隠すこと。
『漢和大字典』より。
A+B+C:「閉ざされた庭・Jardin Clos」
「死によって肉体の外に追い出された霊とは、個人の同一性を確実に喪失し、
自我を溶解するものである」。
ピエール・クロソウスキー著『バフォメット』より。
「……しかしそれら(バフォメットの霊たち)は、特異性を持っている。しかしそれは
複数的な特異性だ。形を成す波動なのだ。波頭のように」
「霊が身体を離れて死の中にあるとき、精神は多義的で多能なおのれの力を発見する。
また精神が不滅性を獲得するのは、身体へと引き戻される時である」。
ジル・ドゥルース著『意味の論理学』より。
アノニマスとは、恐らく、折りたたまれた襞のようなものだろう。