中島 俊市郎

− ワ−ド・オ−ナメンツ −

2000.9月7日(木)−9月15日(金)

12:00−19:00 (最終日17:00まで)

会期中無休

 



素材:絹、麻、綿、レーヨン、羊毛、羽、金属

サイズ: およそw100×H150×D30mm

出品点数: 163文字

 

現代の暮らしの中では、個人がその生活を維持していくために、

日常的にさまざまな道具を自らの手でつくりださなければならない

という必然は、少なくなりました。そのような体験を望むことの方が

難しい時代です。 私は1972年に生まれましたから、当然そのよう

な経験はできませんでしたし、さまざまの自然物に人の手が添え

られる事により、多様な道具やモノが生まれるということは、常識

として理解していても、その現場は、私たちの日常から遠く離れた

ところに行ってしまったかのように感じられます。

これまで、「織る」という行為にこだわり、作品を制作し続けてきた

のは、私には体験することの出来ない、かつての人々が営んでき

たであろう、日々の生活のための必然の仕事としてモノを作るとい

う行為に対する、あこがれからです。

今回の展覧会では、言葉をかざり、言葉で壁をかざります。

生活を取り巻く、様々なモノ、こと、に施される様々な装飾。それら

が何の為に、また何を願い施されたのか、人は用を満たすために

存在する道具に、どうしてかざりや、彩りを求めるのか。その答え

はわかりませんが、私が感じている「かざる」という行為の「良心」

のようなものを表現できたらと考えています。

                                                         2000.8月 中島俊市郎